インフルエンザワクチンに関して

 

 インフルエンザの予防接種を101日から開始いたします。(ワクチン予診票)

 

 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールで、インフルエンザワクチンは、毎年 10月、11月などに2回(13歳より1回)とあります。

 

当院では101日からインフルエンザワクチンの接種を開始致します。

 

 接種時には予診票を書いて頂いています。

 

予診票は接種当日の来院時にお渡し致しますので当日院内で記載して頂いても良いですし、事前に来院して頂ければ予診票をお渡し致しますので自宅で書いてこられても良いです。そして、事前に来院しなくても自宅で印刷して書いてこられるように下記に予診票のPDFファイルを添付します。よろしければ使用してください。

 

 

インフルエンザワクチンの予診票

 

 

希望があれば小児だけでなく、成人のかたもご接種いたします。

 ご不明な点は電話でお問い合わせください。

 

インフルエンザワクチンの接種は、13歳以上は1回、13歳未満では通常2回で2〜4週の間隔で行うことになっています。なるべく4週に近い方が効果は良いので、3週ぐらいあけるのがベストかと思います。ワクチン接種後に抗体ができるまでに3〜4週間かかります。インフルエンザが流行するまでに抗体をつけておくとすれば、どんなに遅くとも12月中旬頃までに予防接種を済ませておくことをお勧めいたします。また、12月に接種しようと思っていても12月になり風邪をひいてしまい、接種できないままインフルエンザのシーズンを向かえてインフルエンザに罹患してしまう方もおります。皆様になるべく早めに予防接種を受けていただきたいと思います。

 

インフルエンザワクチンを早くすると春の流行までに効果が弱くなってしまうため12月か1月に接種をした方が良いのではないかと質問されることがあります。3月や4月の感染を気にして、12月にワクチンの効果の出る前に罹患して、脳症や肺炎など重症になるほうがはるかに危険です。早めにワクチンを接種すると確かに4月には効果は薄れますが、無防備に感染するより安全です。このため早めに接種することをお勧めします。

 

また、インフルエンザワクチンを接種して、接種後したのにインフルエンザに感染してしまう方も多くおります。

ワクチンは接種したら、その病気にならないというものではありません、麻疹・風疹や百日咳を含む三種混合も有効率は100%ではありません。

インフルエンザは通常に罹患すると高熱が出ます。短ければ数日、長ければ1週間程度は高熱が続きます。しかし、治ってしまえば通常の風邪と変わらないかもしれません。最近は抗インフルエンザ薬が使用されることが多くなりましたが、以前は家でおとなしくしていれば治る風邪の一種とも考えられなくはありません。しかし、通常ではなくて重症化することもある感染であるために注目され予防接種が開発され使用されています。

 

 インフルエンザワクチンの効果について

 

 インフルエンザワクチンは1976年から1993年まで定期接種として子供に接種され、1994年から任意接種になりました。当時は有効性が疑問視され社会的に批判されていました。しかし、任意接種となり摂取率が著しく低下ました。すると摂取率が低下したことによりインフルエンザ死亡者が増加していることが明らかになりました。これは高齢者の死亡が抑えられていたと解釈され、現在の日本の主な接種対象は高齢者のみです。桐生市でも高齢者のワクチンは公費負担になり1000円で接種することができます。これは高齢者では肺炎、心肺機能低下、他の慢性疾患の悪化などによって死亡することがあるからです。

では小児ではどうでしょうか、確かに過去には接種した方が良いというデーターはありませんでした。しかし、最近は6か月以上の小児で有効であったという研究結果が出てきました。このため、米国では老人などだけでなく18歳未満の幼児にまでインフルエンザワクチンの接種対象を拡大したそうです。さらに、5歳未満の乳幼児のいる家庭では家族全員の接種が推奨されています。

 日本は乳幼児には脳症という重篤な合併症が多発しているにもかかわらず、任意接種のままで積極的な推奨がされてないことは残念です。

私個人的にはインフルエンザ脳症の患者さんを多く診察して、残念ながら死亡例も経験しております。現在でも後遺症で苦しんでいる患者さんの診療も続けております。最近は有効な治療方が模索されつつあります。しかし、残念ながら治療が有効でない場合もあり、インフルエンザワクチンは接種した方が良いと思っています。

 

ひきた小児科クリニック 電話0277-44-3040

 

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